うそラジオ Podcast 松任谷由実はじめました

*****上海蟹大戦争*****

なぜ、人は人を裏切るのだろう。
約束なんてしないほうがいいのかもしれない。言葉なんてあるだけやっかいなんだ。信じるってなんだろう。人と人をつなぐものなんて本当はなにもない。すべては幻。人間は自分勝手な生き物だから。誰だって最後は自分のことが一番かわわいいに決まってる。

裏切るより裏切られるほうがいい・・・と、よくいうけれど、本当か?
私は裏切るほうがいい。裏切ったらそのあとちゃんと「ごめん」って謝るし。裏切られたら向こうが謝ってこないかぎり解決できなかったりしてかったるい。「謝ってよ」って催促するのも面倒だ。だから私は裏切るのだ。で、そのあとペコペコ頭をさげて謝る。

うそラジオチームの人間関係に危機がおとずれている。私&くままろチーム対ニワ&クボさんチームだ。流し雛近藤は間で揺れている。ユーミンは遠見の見物。
原因はカニだ。上海ガニだ。

そういえば、先週インターネット部長・クボさんが言っていた。・・・ような気がする。

「ねえねえ、今年はまだみんなで上海ガニ行ってないよね」

ニワさんも叫んでいた。

「カニバーサリー! カニバーサリー! カニバーサリー!」

クボさんは一瞬((ニワちゃんうるさい!))という顔をして目を光らせたが、昔の辻元清美みたいに強く発言した。

「じゃ、決めようよ!! みんなスケジュール合わせてさ、来週は放送後に上海ガニ!! ね、ね!! みんなでいこーう!!」

うそラジオスタッフにとって、実は【上海ガニ】は重要なキーワードである。現代用語の基礎知識《ウソダス》にも載っている。うそラジオが始まって二年半が経とうとしているが、このシーズンにはユーミンが大好きな上海ガニをみんなで一緒に食べに行くというのが恒例の行事になっているのだ。しかもユーミンのおごり。お店も都内でピカイチの高級中国料理屋。

おととし・去年とつづき、今年で3回目。今年もあの上海ガニ、特にミソのねっとり感に出会えると思えばみんなもうソワソワだ。カニクリームコロッケが贅沢だと思っている人間にしてみれば、わっしょいわっしょいである。
要は、祭りなのだ。牛追い祭りでいうなら、我々がここで追うのは上海ガニ。この一年、その祭りのためにがんばってるといっても過言じゃない、そんなノリにもなりつつある宴なのだ。

なのに、ユーミンとくままろと私は、上海OLトリオ殺人事件簿なノリで、うっかり3人だけで行ってしまったのである。上海ガニを食べに・・・・。

ことの始まりは、日曜日に3人で見に行ったキリンジのライヴ。
キリンジのライヴは、実にスゥーーーッとしていて、どろどろしてた血がサラサラになるようで、でもそのギリギリ寸前でまたどろどろになって・・・という、私的には血とか脳がさわいでとてもよかった。音楽って本当にいいなあ、ソーダみたいなお酒飲みたくなるなあ、アリーナにサマーベッド持ち込んでそれに寝ながら聴きたいなあ、「僕ら音楽に愛されてる」・・って、ずしんときたり。

招待席でノリノリなユーミン・私・くままろは、それぞれ音楽とか都市とかライヴとか大人とかクールとか稲妻とか幾つかの小さな矛盾とかに思いを馳せながら、心地いい時間を送っていた。
で、ライヴを見たあとの楽しみといえば、おいしいごはんを食べながらライヴの感想を言い合ったり最近のうひゃひゃ話の交換をすることだ。
ユーミンは言った。

「このあとごはん行くよね? 中華とイタリアン、どっちがいい?」

わたしは反射的に答えた。

「中華!!」

「よーし!! 中華ね。・・・・じゃあさ、カニ行っちゃう?」

カニのポーズをして聞くユーミン。またしても反射的に答えてしまった。

「行くー!! カニーーーーー!!」

こうして、我々は、いとも簡単にニワちゃんとクボさんを裏切ったのである。でも私は某高級中国料理店の席についたとき、良心が痛み、つぶやいた。

「ニワちゃんたちに怒られるかも・・・・」

くままろは「うん・・・」といってうつむいた。でも、ユーミンは無反応であった。どうやらユーミンは・・・自分が食べられればなんの問題もないようだった。やはり、人間はみんな自分が一番かわいいのだ。

翌日私はニワちゃんにごめんねメールを送ったが、案の定このやろうメールが戻ってきた。収録のときに会ったクボさんにもギロリとにらまれた。ドメスティック戦争である。Vシネでいうなら哀川翔VS竹内力。

竹内力が出たついでに書いてしまおう。
私は、お題・竹内力でつくった句で、自分でも気に入っているものがある。
まずは一回ふつうに読んで、二回目は目を閉じて頭の中で力をイメージして唱えてほしい。どうぞ。

【竹内力に 蹴られて 斬られて 東京湾】

いかがだろうか。効果音を入れると尚いよい。本来なら、ミナミの帝王なので大阪湾と入れたいところだが、やはり沈んでこわいイメージはクールな東京湾だろうとおもい、ミナミの帝王が東京で大暴れしてというイメージに仕上げてみた。

ちなみに竹内力とユーミンはまったく接点がないわけではない。あるわけでもないが、かすっている。角川かすりだ。彼のデビュー作品は86年の角川映画「彼のオートバイ 彼女の島」。主演・原田貴和子。原田知世にこんな姉ちゃんがいたんだ!! と思ったものだ。TシャツにGパン姿の力のバイク野郎っぷりもいいもんだ。いいぞ!!角川映画!!

ユーミンの話に戻れなくなった。うまく戻るテクを使うのも面倒なので、一気にユーミン話に。
キリンジのライヴの日のユーミンの洋服は、とんがったリセエンヌ風だった。エンジ縁のメガネ。紺と緑のストライプの太いタイにグレーのデザインジャケットに膝上タイトスカート。黒いハイソックスにブーツ。

「あ、やっぱり学生っぽい?? でも見て見てーー!! 」

ユーミンはそういって持っていた黒い大きなカバンを持ち上げた。

「ほーら、パッと見るとやっすうーーい学生カバンに見えるでしょーー?? だけどコレ、・・・・・ク・ロ・コ・ダ・イ・ル!! ひゃーーーっひゃひゃーー 高いんだぞぉーーー!!」

と、大人ならではのオシャレをかなり楽しんでいた。クロコダイルのカバン。ユーミンが「高い」と言うのだから、本当に高いのだろう。