*****ユーミンこそ暗黒大陸*****
女は、お台場のニッポン放送のビルにいた。
地上23階の部屋。女の後ろにある大きな窓の向こうには芝浦のビル郡と東京湾。太陽の光が海面と溶け合ってまばゆいばかりの白い光を放っている。すべてが手に入る・・・・誰もが一瞬錯覚してしまうそんな場所で、女はぐるりと椅子を回転させてつぶやいた。
「これ、どうやって開けるんだっけ」
おにぎりを片手に助けを求めているユーミン。かーーーっこいーーーーっ!!!!??????
スタッフが買ってきたテイクアウトヌードルとコンビ二のおにぎりがその日のユーミンの昼食。ヌードルをずるずるさせながら、おにぎりにも目を走らせ、なんとか味噌(忘れた)が入ったやつを・・・こんなのもあるんだあ・・・と言って選んだものの、ユーミンにはその包装を開ける実力はなくS・O・S。
コンビ二のおにぎりの開け方がわからないというのはある意味正解だ。知らないからといって誰に責める権利があろうか。むしろバリバリと慣れた手つきでユーミンがコンビ二おにぎりを開けていたらちょっとひく。「焼きたらこサイコー」とか言われてもかなりひく。
ユーミンには似合うものと似合わないものが確実に存在する。このコンビ二のおにぎりだとか、即席カレーだとか。そういえば、元オールナイトリスナーで、現うそリスナーから来たメールに書いてあって思い出したのだが、ユーミンはかつてオールナイトをやってるときこんな発言をしたことがあった。
「私ね、自動販売機でジュースを買ったことないの」
は?? なんだって?? 発言の意味がわからないっちゅうの!!的なお言葉。
だが、訳す必要もない。そのまま受け止めればいいのだ。要は100円玉を握りしめてカチャッ・コツッ・ゴトンッをしたことがないという・・・!!!
流し雛近藤が実際多摩川の上流から流れてきたとしてもたぶんちっとも驚かない私だが、これには驚いた。
江戸時代なのか?? それともジャングル暮らしなのか??
「だって、買うきっかけがないんだもん」
この行為はもはや奇跡に近いので、死ぬ前の儀式としてとっておこう。または東京ドームでイベント化。五万人が見守る中、自販機でジュースを買って一気飲み。花火三発!! 特効よろしく!!
そんな話はおいといて、今年、ユーミンは似合わないものをひとつ経験してしまい、ゲームでいうなら1ステージあがることができた。
「このまえ初めてねーー、海の家ってやつに行ったのよーーー」
海の家とユーミン。おしゃれなカフェ風の海の家ではなく、伝統的な安いゴザ畳と汚れた折りたたみテーブルでくつろぐ海の家だ。それゆえに共通点は見当たらない。ただし、さすがユーミン!! ただぼんやりと海の家に行ったのではない。他の人には決して真似できない行き方をしている。
それは、大勢のロシア人を従えてというどすこいぶり。どすこいどすこい。
海の家とユーミンとロシア人。これで海の家にもなんとなく意味があるように思えてしまうのがすごいところだ。
いつかはユーミンもおにぎりの開封方法を完全マスターする日がくるかもしれない。でもそのときも、ユーミンならただでは開けないはずだ。両サイドに白いトラを連れて開けるとかフーミンの婚約者の大道芸外国人と「レッツ!! バスロマン!!」と風呂場で歌いながら開けるとか。そしてやっぱり、その近くのテーブルの下には録音機を持ってほくそ笑んでいるニワちゃんが潜んでいるのだ。ダーックスフンドのふんどしでダーッ!!