うそラジオ Podcast 松任谷由実はじめました

*****大阪物語②*****

予告どおり、今週は「ユーミンとタージンの大阪物語」を。
そりゃなんだ??と思った人は、前回の最後のほうを読むべし。

心斎橋でニワちゃんとクボさんが酒に溺れている間、ユーミンとくままろと私はテレビに溺れていた。

「こっちのチャンネルって東京と違うんだよね。ねえねえ、今映ってる6チャンはあっちの何チャン? それからさっきの4チャンは何チャン??」

呪文のように何チャン?何チャン?と繰り返すユーミン。秘書みたいなデカイ机に新聞を広げ、テレビ欄と格闘しているのはくままろ。

「えっとー、さっきのがー関西テレビでー、今のがーえっとなんだろお、誰出てましたあ?あっ!! その前のがぁーーー、衛星!!・・・かな?」

・・・かな??ってなんだ。断定しろ。

「だからさ、東京で言うとコレは何チャンなわけ?」

ユーミンはかなり {東京で言うと何チャンなのか} にこだわっている。だが、くままろは常に冷静な女である。首をかしげて天下のユーミンに言う。

「・・・さあ?」

冷静とノンキのあいだ。くままろのキャッチフレーズとして今後採用することにしよう。
こんなかんじでぼんやり始まった大阪テレビ鑑賞ナイト。東京のテレビを見ている私たちにはかなり新鮮だ。海外に来た感覚すら覚える。
【OOSAKAというその響きが ロシア語みたいだった】・・・・んなこたぁ、ない。
鑑賞会は午後10時ごろからスタートし、タージンと運命の出会いをしたのは深夜1時近く。

ザッピング担当の私が、リモコンでチャンネルをピッピと選んでいたとき、数人のコスプレ・ナースギャルの中でニタニタしている男がうつった。ついつい気になってそこで止めてしまったのだが、そのニタニタ男こそがタージンだったのだ。名前は知っていたが顔は見るのは初めてだったので、テロップのタージンという文字をみて、あーーこれがタージンかあ!!と思わず声をあげてしまった。が、ユーミンの反応はイマイチだった。

「誰それ。有名なの??」

この疑問は一般的であろう。私も関西人の友達から聞いて知ってたぐらいで、タージンについての知識はほとんどない。くままろも同レベルだった。ただ、関西ではやしきたかじん・上沼恵美子級に有名だとかなんとか。あとで詳しく聞いたらロケといえばタージンで、年間数百本のレポートをやっているらしい。

私「こっちじゃ、知らない人はいないらしいですよ」
ユ「へえーーそうなんだ。で、名前なんだっけ??」
私「タージン」
ユ「タージン?? ふぅーーん」

ユーミン的食いつき度としてはそんなに高い数値ではなかった。テレビにおける食いつき度としては最大級ともいわれている千秋のとがった耳の発見時から比べるとたいしたことはなさそうだ。
だが、番組を見ているうちにいつのまにか私たちはタージンのペースにひきこまれていた。頭皮にいきなり植林しちゃったような国立指定公園みたいなツンツン頭。実は度が入っていないというそのメガネ。常にはずすことがないカメラ目線。ふぐの毒が効いたとき、実はものすごく気持ちがいいらしいが、この人、たぶんいつもふぐの毒がまわってるんだと思う。

その番組では、タージンはゲストだったようで、いかにゲストの男性(もてないクランケ)がモテナイかを実証したり検証したりするものだった。結局最後まで見てしまい、東京にはない笑いを堪能させてもらった。

「変だよー笑えるよー、タージン」

と、ゲラゲラ笑っているユーミン。いつのまにかユーミンにもふぐの毒がまわったらしい。ユーミンの心の名簿帳にもきっとタージンの名は刻まれたであろう。「た行」だから、「宅間伸」とか「滝田栄」とかと一緒のページに。

こうしてブラウン管を通してのタージンとの出会いは幕を閉じ、大阪テレビ鑑賞ナイトも2時半すぎに解散。その翌々日、私は東京へと戻ったのだが、それから二日後の夜、くままろから衝撃的なメールが届いた。

『今、お店にいるんだけどタージンと同じカウンターでごはんを食べています・・・ユーミンも一緒です・・・偶然です』

なんでもシャングリラを終えた後、メンバーたちと行ったお店に偶然タージンがいたらしいのだ。しかも、さっきまでタージンはシャングリラを見ていたという。生タージンに会ったユーミンは、

「テレビ、見ましたよーーー」

と、そこらへんの一般人みたいなことを言って挨拶したらしい。その歴史的現場に立ち会えなくて実に残念である。で、ユーミンとタージンの大阪物語は別にたいした事件が起こるわけでもなく、恋は遠い火の花火ではない的にしんみりと終わるのだが、その終わり方が金魚の切れないうんこみたいにだらだらとしていたのだった。

くままろから、タージンに偶然会ったというメールがきてから三日後の夜、今度はこんなメールが届いた。

『今、大阪の天神祭です。盛り上がってます。驚くことに、さっきタージンが乗った船が通り過ぎていきました・・・偶然です』

そして、それからまた三日後。

『たった今、なぜかタージンの名刺をゲットし手の中にあります・・・・偶然です』

タージン色に染まりつつあるユーミンとくままろ、そして私。
壊れた大人が見つけた壊れたおもちゃに乾杯。・・・かな?? 断定は、できない。