******大阪物語①******
うそラジオスタッフによる「シャングリラ2大阪観戦ツアー」が終わった。
大阪は楽しかった。大阪はおいしかった。それからちょっと蒸し暑かった。せめてもう一泊したかった。名残り惜しい。
とはいえ、大阪公演はまだまだ続いていることを思うと、こうして二日ばかり顔を出して「お好み焼きうまかったあ。天ぷらも最高。豚まんまいうーーーー」などと言ってる自分が、能天気すぎやしないか??とも実は思っている。
大阪に行った一日目のこと。
まずホテルにチェックインし、すぐに大阪城ホールへ。この日は土曜だったので、夕方4時開演というスタイルだった。大阪に来たばかりだったせいか少しだけ舞い上がっている私達。人があまりいないケータリングルームで大阪ならではの『ぜん六アイス』や『くず餅』を堪能していた。私もディレクターのニワちゃんもインターネット部長のクボさんも関東の人間なのでなぜか落ちつかない。旅行気分がなかなか抜けないのだ。
時計の針が3時をまわると一斉にあたりがにぎやかになり始めた。
衣装を身につけたユーミンをはじめメンバーやアクト、そしてスタッフなどが続々とこのケータリングルームに集まってきた。これは、毎回のステージにおいても変わらないことで、注意事項や変更点がいわば業務連絡として伝えられる時間らしい。そして、全員による気合い入れが行われ、ステージに向かうというわけだ。
そんな場面でわれわれうそラジオメンバーは、邪魔にならないようにすみっこのほうで小型の草食動物のごとく身をひそめてじっとしているのだが、やがて、中央にいた舞台監督のナオミさんが話し始めた。
「えー、今日の公演が、シャングリラ2全公演のちょうど折り返し地点になります・・・・」
日本人チームから声が漏れる。半分?そうかー!うわあ!あと半分か・・・・。
すると、ユーミンの隣にいた男性がロシア語でそれを表現する。シャングリラでは常に日本語とロシア語が順に話されていく。通訳の男性の言葉を聴き、やっとロシア人チームからも声が漏れる。
日本人だけのステージでは絶対にないタイムラグ。でもこのタイムラグがあるからこそ、逆にゆっくりとではあるけれどすべてのスタッフに言葉が伝わっていくのがわかる気がした。ユーミンはそれを見ながら、何かを確かめるかのように「うん、うん」とうなづいている。
こんなとき、あたりまえの話だが、残念ながら我々うそラジオスタッフには入り込めないなにかを感じてしまう。シャングリラ2だけに向かっている人たちの想いは、私たちにはきっと計り知れない。
あらためて、毎日繰り返すことの凄さに驚く。一回一回が決して同じではないし、みんなプロだからやるのは当たり前だけれど、それをやり遂げることは簡単な言葉で言えば「大変なこと」だ。半分の道のりについてだとか、大阪にいる意味とか、毎日どんな風に朝起きるかとか、そんなことさえも多分まったく違うのだろう。
人はみんな、やりたいこと・やれること・やるべきことはそれぞれだけれど、一生懸命やるかやらないかが分かれ道なんだと思う。どんなことであっても。
うそラジオin大阪のこの初日、ユーミンが夕ご飯に連れて行ってくれたのはお好み焼き屋さん。ラジオの収録もやってしまおう!!ということで、公演後にもかかわらずメンバーにも集まってもらい食べながらの収録も無事終了した。(来週放送予定)
総勢20人ぐらいでそのあとも飲んで食べていたのだが、ユーミンが隣に座っていた私にポツリと言った。
「なんかさあ、こうやって仲間とこんな時間にお好み焼き食べてるって、幸せだよね」
幸せ。そう。幸せだと感じる時間・見つけた瞬間こそが幸せ。
幸せに酔いしれているユーミン。おっ!!ここで涙とかキラリってさせちゃうのか???お??と思わせながらおもむろに納豆やきそばにくらいつく。
「あー、本当に幸せ・・・・」(ネバネバの口にて)
幸せが充満するお好み焼き屋さんをあとにし、私はユーミンが滞在しているホテルの豪華な部屋をのぞきにいった。ニワちゃんやクボさんも後ほど合流するということで、私とマネージャーのくままろが先にユーミン部屋に。東京の私のマンションより広い。どうなってんだ??と心の底で叫ぶ。
テーブルの上にはさまざまな果物。ドラマみたいじゃん、と感動する。が、桃が半分腐ってることを発見し、なぜかほくそ笑む。
それにしても部屋自体がどーんとしていて置いてあるモノひとつひとつが私たちが知ってるホテルの部屋とはかなり違う。
「ニューヨークみたい!!」
私が乙女チックにうっとりつぶやくと、ユーミンは言った。
「そう? ニューヨークっぽい??・・・でもさー、ちょっと違うんだよねぇ。ほーら、ここのカーテンを開けると・・・ジャーン!! 大阪城だよーん」
スタイリッシュな窓枠の中、暗闇に浮かぶ絵画のような大阪城に唖然。おじいさんだと思って声をかけたらおばあさんだったみたいなショッキングさ。バサロでもしとくか。
女3人なにするでもなく、ソファーに横になり大阪のテレビに見入る。そしてユーミンがふと気づいて言った。
「そういえば、ニワちゃんたち遅いねえーー」
確かに遅い。お好み焼き屋さんから別れ、もう1時間はたっている。部屋がわからないのかなあ。と気にするユーミン。ニワちゃんにメールをしてみたが応答ナシ。心配したくままろが久保さんに電話をした。すると・・・・・なんと、やつらは心斎橋で飲んでいたのだ!!!
「そんなことだと思ったよーーー」
ユーミンは大人だった。ちびっこいヤツなら「あとで来るって言ってたのに他の場所で飲んでるってどういうこと??あたしが気に入らないの?? なにさまのつもり??あんた、あたしをを誰だと思ってんの??」と、腐った桃をマネージャーに投げつけてキレてもおかしくはない。だが、ユーミンはひとごとのように、
「心斎橋かあ。いいよねーーー」
と笑っていた。私は床で親父寝しながら「ニワちゃん、ずっりーーーー(ずるい)」と雄叫び。くままろは、秘書みたいな机と椅子のセットに座って「クボさん、さいてぇーーーー(最低)」とボソリ。そんな中、ひとりユーミンは相変わらず、
「心斎橋かあ。たのしそうだねー」
と、微笑んでいる。
っていうか、どうやらその日のユーミンは心斎橋ではっちゃけモードではないらしく、部屋でのんびりチェックのパジャマでみんなでおしゃべりしたいの(パジャマトークかよ。中学生か?・・そう。女の子はいつだってパジャマトークが大好きなの)・・・な気分だったようなのだ。実際は赤いTシャツと短パンだったが。
そのあと大阪テレビ鑑賞ナイトは続き、ユーミンはある衝撃的な体験をすることに。なんと、関西では有名な男「タージン」を初めてテレビで見たのだ。最初は、誰??この人・・・と引き気味で見ていたが、次第に、この人変だねー(褒め言葉)に変わった。そしてタージンを見てゲラゲラ笑ったその数日後、なんとユーミンは偶然ある場所で生タージンと遭遇したのだった。
そんなユーミンとタージンの大阪物語は、次回のこのページにて。
ではでは、ムッソリーニ!!