***** くだらないものの考え方 *****
ちょっとした用事があって、松任谷邸へ行くことになった。
我が家から自転車で10分ちょっとだが、松任谷邸のまわりは、テロ対策か!?と思うような同じような道があっていつも迷うので、10分ちょっとでついたためしはない。しかも坂道でけっこうツライ。
途中で玉高にでも寄ってオシャレなスイーツでも買っていこうかと思っていたが、一応「何か買っていくものあります?」と聞いてみた。答えはひとことコレであった。
「くだものーーーー!!」
くだもの!?くだもの・・くだもの・・・くだもの? くだものの何?
「くだものーーーー!!」
くだものとしか言わない。
「くだものーーーー!!」
なぜ、指定をしない? なぜ、食べ物のジャンルで答える? 神は私をお試しになられている?
人間、同じ言葉から思いつくモノはまったく違う。 ユーミンがマンゴーやパッションフルーツやざくろやネクタリンを期待して待っているところに、私がバナナや季節はずれのみかんを買っていったらどうなるか。
「あ、大川さんが思ってるくだものって・・・みかんとバナナなんだ・・・ふうん・・」
なんて、松下由樹が演じる史上最低の嫌な女風にユーミンに言われかねない。それは是が非でも回避したい。コンマ何秒かでそんなことを考え、結局私は「そのくだものというのは、庶民のくだものですか? それともセレブのくだものですか?」とストレートに聞いてみた。
「うーんとねー・・・・いちごーーー!!いちごーーー!!」
チェッ。いちごかよ。それって庶民の発想じゃねえか。焦って損した。・・・である。私はセレブのくだもの・いちごを買っていくという任務を遂行すべく家を出ようとした。そこへまた指令がきた。
「悪いんだけど、牛乳も買ってきてもらっていい?だって、いちごって言ったら、牛乳でしょーーー!?」
イヤーーーッ!!食べ方まで庶民と同じなんて! セレブはセレブらしく、いちごにすごいことをして「え?そんな風に?そこでいちごを?え?それも入れてしまうの?シェフ直伝?まさか!曲げるんですか?たたきつけるの?踏むの?寝かすの?やだ、なんの匂いですか?えーーっ?」と我々庶民が腰を抜かすようなすごい食べ方をしてほしい。
もちろん、バカラとかのクリスタルの器で。いちごも一粒何千円とかで。桐の箱に入って何万円とかの。・・・あ、でもそんないちごを頼まれても、私は買うことができないのでそれはそれで困ってしまう。
そんなことを考えながら、松任谷邸に向かう間の八百屋さんで1パック480円のいちごをふたつ買った。お店のお兄さんがカサカサと音のする茶色い紙袋に入れてくれた。スーパーのビニール袋とは違う感触が妙にあったかい。
なんともいい感じであった。
松任谷邸のすごいキッチンの隅に置かれた茶色い紙袋と牛乳。・・・・だけど、ああ・・・やっぱり、曲げたり寝かしたりのすごい食べ方も見てみたい・・・。(あるのなら)