**** ニューアルバム イエイ!!****
『Road Show』
ユーミンのニューアルバムのタイトルである。
Road Show・・・、好きな響きだ。
幼い頃、私の中でそれは大人の言葉だった。
残念ながら、アメリカ的文化の影響・・とかいうオシャレなイメージではなく、
昔テレビでやっていた『月曜ロードショー』から来ているのだと思う。
1970年代。
子供が映画を観る手段といえば、たまーに行く映画館とテレビだった。
映画館で観るとしても、それは子供向けのものばかり。
一般的なものは、やはりテレビが主で、小学生の私はよく『月曜ロードショー』や『日曜洋画劇場』を観ていたと記憶する。
その頃、テレビで放映され人気だったのが『エクソシスト』や『オーメン』といったオカルトもの。
私はどちらかというと、その手の悪魔的な怖さには強いほうで、『タワーリング・インフェルノ』や『カサンドラクロス』のような、リアルな恐怖に震えを感じる子供だった。
オカルト映画を鼻で笑う私であったが、ある作品に私は脅えることとなる。
それが、『サスペリア』だ。
舞台はバレエの名門校。それだけでヨダレもの。そして美しいほどの映像の中に流れる不穏な音楽。心理的にじわじわと追い詰める演出。すべてが私には恐ろしく、同時にその高い美意識から大好きな映画にランクインした。
そんな作品にまた出会いたい。
娘のその心意気を感じたのか、ある日父親が言った。
「今夜、またオカルト映画をやるみたいだから一緒に観よう」
夜9時。
ふたりでテレビを凝視した。
主人公は中年の女性。何かが始まろうとしている。若い男性を生贄にし、儀式のようなものを始めている。
女は男のズボンのジッパーを下げる。
なにが始まるのか・・・。なにをしているのだろうか・・。子供心に考える。考えて考えて・・あ、なんかいやらしいことしようとしている・・・と、理解した。
どうやら、オカルトはオカルトでも、痴女のオカルト映画だったのだ。
痴女のオカルト映画? その発想ってすごい!!
けれども我々は庶民。無言の親子がそこにいた。
多分、私も固まっていたのだと思う。
しばらくして、父が言った。
「あー、これは子供用じゃないみたいだなあ。・・・さあ、寝よう、寝よう!!」
無残にもテレビと茶の間の電気が消された。
つ、つづきが〜!! あのあと・・あの女がなにをするのか見届けたいのに〜!!
それから私は、できるだけ映画はひとりで観ることに決めた。